top of page

トークイベント「宮城県美術館と建築家前川國男のここがスゴイ!」の報告

』をご覧ください。


定員50人のところ、集まりすぎてお断りするのも申し訳ないし、スカスカになりすぎるのももったいないと戸惑いながら告知したところ、ちょうど良い感じの34人にお集まり頂きました。

出前講座や撮影会に参加したことのある方や、今回初めて来てみたという方もおり、興味の高さを感じました。


冒頭にお集まりの皆さんに挙手でアンケートを取ってみたところほぼ全員が建築家前川國男さんを知っていると手を挙げました。では「一年前に知っていた人は?」と伺ったところ会場からエヘヘ笑い声の方が多く(笑)、挙手なさった方は数えるほどでした。

少しでも前川國男と、宮城県美術館の良さを知って身近に感じていく時間になればと思います。





まずは県美ネット事務局の高橋直子から近代建築のイロハと、建築家前川國男について紹介をしていただきました。

日本の木造建築から現在までの流れと、モダニズム建築の巨匠といわれるル・コルビュジエから前川國男までを短時間にギュッと恐縮。前川が失敗を繰り返りしながらたどり着いたのが晩年の作の宮城県美術館に活かされていることなど、足跡も説明していただきました。



東京帝室博物館のコンペでボツになった前川國男案配置図など実際の設計図も織り交ぜながら足跡を短時間でお話いただきました。

トークイベントのために参考にしたという書籍には、終了後に手に取る方も多数いました。


続いて、#宮城県美術館のここが好き 撮影会常連の津田和俊さんに、これまた駆け足で弘前にある前川建築と県美のすごさについて話をして頂きました。




県美の外壁といえばクリーム色がかった(色については学芸員さんの要望)まだら模様のタイルです。タイルはほかの前川建築にくらべて大きく試行錯誤を重ねた結果、宮城県美のサイズにたどり着いたとのことです。

また壁面タイルの「穴」に着目して県美とその他の前川建築の違いを、実際に撮ってきた写真をもとにお話し頂きました。

現場施工の打ち込みタイルで作られた建築物は穴があちこちに空いており、それに比べて工場で精密に作られたコンクリート部材を利用するプレキャスト工法が取り入れられた県美はとびぬけて美しい仕上げになっていることもほかの前川建築との比で見せてくれました。

青森県弘前市には前川國男の建築物が8つあります。足を運んで同じ所や違いを楽しむのもよさそうです。詳しくは記事下にリンクがあります。




お二人のトークの後はご来場の方数人からコメントをいただきました。事務局高橋の知人である東北大学の内野先生から補足もありました。

また、かんま進県議員からはツーリズムネットワークの活動はストップしているようなので県美ネットが市民活動として牽引していくのはどうか?とのご意見もありました。


今回のように小さいながらも勉強会のようなかたちで県美をもっと知る機会を設けるのは、現地存続が決定したことで、ますます必要だと感じました。

ご参加の皆さま、登壇頂だいた津田さんありがとうございました。(佐藤奈緒子)



近代建築ツーリズムネットワーク

bottom of page